小坂 誠について
人生50年以上生きて来て、未だ数えるほどしか球場に行ったことはないのですが、
記憶のなかで鮮明に残っているシーンがあります。
1997年、当時千葉県の市川市に住んでおりました。すぐ近くに読売新聞の販売店
があり、子供の付き合いで購読しないといけないような関係が生まれてしまったため、試しに「野球のチケットが貰えるなら・・・。」と伝えたところ、東京ドームは回せ
ないけど6月あたりの千葉ロッテならイケる、とのこと。
まぁ、パリーグもプロなんだから良いかな?ぐらいの気持ちで家族でお弁当持参
で観戦に行きました。
相手はどこのチームだったのか、まだ東京ドームが本拠地だった日ハムあたりか、
残念なぐらい記憶にないんです。そんなことより、生の試合を見てあんなに感動
したことはありませんでした。
千葉ロッテマリーンズの三遊間のあたりで動いている小さな選手が、とにかく
日本人の野手ではありえないぐらいのレベルで、速く柔らかくリズミカルにグランド
で飛び跳ねていました。
事前の情報も持たずに来たのは大失敗でしたね。当時、贔屓チームの近鉄からあの
NOMOを含めて何人かの関係者が消えたショックで、あまりスポーツニュースも
見なくなっていたので、完全に顔と名前が一致しない状態です。
オザカ?KOSAKA・・・?小さくて細身ですが、文字通り身体が本当に質の良い
スプリングで出来ているようで、どんな体勢でも支点がぶれず捕球もしくは止めて
当たり前のようにスローイングに入ります。
なんでそんなふうに歩きながら走りながら投げることが可能なのか、何故身体が
開かずに重心が残って力を残せるのか良くわかりませんが、そのリズムというのか
打球に対する感度の良さが桁違いでした。
良くMLB至上主義の人達が、日本の野手はアメリカでは通用しない、何故ならば・・・的なお話をされるを良く聞いていましたが、ここに彼らをはるかに凌駕
する純日本人ショートストップがいるんだ!と見せつけてやりたくなるほどの
逸材でした。その、ルーキー時代の「小坂誠」のプレーを見ることが出来たこと
は本当に幸せなことで、更に数年は全盛期というか唯我独尊ぐらいの時代が続き
ますが、残念なことに生で見たのはそれっきりです・・・。
往年の名選手、現役の選手でも守備の名手はたくさんいると思います。確かに、
良いプレーをすることでアピールも可能ですし、ゴールデングラブ賞なんていう
シロモノを手にしたらプロ中のプロみたいなものだ思いますが、ただ単純に
抜群に上手くて面白かったのは「小坂誠」です。
昭和の時代なら「水上善雄」は身体的に恵まれて、川崎球場にはもったいないぐらい
とてもセンスの良いショートストップでした。
平成になって見たなかで驚いたのは西武ライオンズの「永江恭平」でしたが、気が
付いたらあんパンの食べ過ぎ?かなんかでおデブさんになっていました。
正直、個人的な思い入れもあったので永江選手についてはすごく残念でしたね。
ごく最近では、源田選手が特に注目を集めています・・・マシンのように正確なプレー
は実に素晴らしいと思いますが、個人的にそのプレーを記憶に残して人に語りたい
と思うものではありませんでした。
但し、ここは完全に好き嫌いとか優先順位のようなお話になりますので、比較する
お話は終了させて頂きます。
全国に「小坂誠」を記憶しているプロ野球ファンはたくさんいると思います。どうか、語りつぐ対象として、酒の席でも昼休みのひと時でも構いません。「小坂誠」のプレーを、あなたが記憶にとどめている瞬間を他の人に伝えてください。
知り合いでもない人といつの間にか語り合っている・・・というのも悪くはないと
思います。
それではまた